pupui’s blog

何も知らない私が在宅介護を選んだのは…

お医者さまの説明

救急処置室に運ばれた母の右側を

看護師さん2人がいろいろ触ったり

動かしたりして反応を見るが

ダラーンとなるばかり

ただ…動く左手を左側にいた私に伸ばし

力強く握って…

何かを伝えようとしてるように思えた

「お母さん!大丈夫やで!ここおるよ!」

と声をかけると母は握った左手を

何度も何度もギュッ!ギュッ!として

離さないでいた

 

コロナ禍になり、

「今入院したら誰にも会わせてもらえへんからな!」

とずっと話して来たし

母も私もコロナ感染予防には

本当に気をつけて生活していて

マスクや手洗いはもちろんのこと

不用意な外出や人との接触は極力避けて

生活してきた

なので、自分が急に気がついたら

身体の自由はなく、話す事も出来ず

病院の中だとわかって

不安でいっぱいだっただろう

 

母は24時間以内に出血の恐れがあるため

別の階にあるICUに移動した

コロナ禍なのでここから先は会う事は出来ません

と何度も伝えられた

 

どれくらい待っただろうか…

「主治医から説明があります」

と呼ばれて入った部屋は

デスクの上にパソコンが置いてあり

その前には最初の若い脳外科のお医者さまが座っている小さな小部屋でした

カウンセリングルームなのか

家族に状況を説明する専用の部屋なのか

何もない小さな小部屋だった

 

モニターにはレントゲンやMRIの写真が

次々と映し出され

専門的な医学の説明をただ淡々と

聞かされる

※今の現状は脳全体の半分はダメージを

おっている事

現状を把握したり、会話を理解する機能は残っていないだろう…と

※24時間以内に出血を起こせば

うつ手がない事

 

ん?ん?

でも、現状把握や会話を理解出来ないって

さっき、私の手を握って…

私の事を私と理解してましたよ?

「ご家族のお気持ちは分かりますが

医学的にこの写真から判断すると

それは難しいです」と…

 

そして

「今日これをもって、私が直接お会いしてお話しする事はこれから先は一切ないとご理解下さい。

コロナ禍で私がコロナ感染者になるリスクを無くす為です。

この病棟には2人の脳外科医しかいないので

どちらかでもコロナに感染したら

病棟が管理出来ないからです」

そりゃぁ、そうよね。とこの時は理解した

でも、今は言いたい!

もう次に会う時は引き取りの時なんだ…

と家族は思って後ろ髪を引かれながら

病院をあとにする

病棟は完全に面会禁止をうたい

一切会わせてもらえない

そんな思いまで入院する者も家族もしているのに

なんで病棟でコロナ発生するんだろうね?

ま、この件はまた次の機会に。

 

そして、こうも付け加えた

「間違っても家に連れて帰って面倒みようなんて思わないで下さいね。

一旦、そう言って連れて帰って

面倒見切れなくて、やっぱり引き取って下さい

どこか入院出来る病院探して下さいって

後で言われても何も出来ませんからね。」

この時は在宅介護なんてさらさら頭にもなく

そんな事考える余裕もないのに

念を押された事を不思議に思いながらも

そんな家族多いんだろうな〜

くらいに思っていた。

 

「先生ならどうします?ご家族や親御さんがこの状態ならどうします?」

と何気に聞いてみた

在宅介護なんて全く頭になかったから

ただの会話の流れだけで聞いてみた。

「僕ならそんな馬鹿げた事しません」

と言っていた若い先生の親御さんは

まだまだ若くて元気なんだろうな…

と今なら思える