pupui’s blog

何も知らない私が在宅介護を選んだのは…

コロナ禍の入院

入院の手続きに各所を回る

この病院はずっと通ってきたので

段取りの悪さやタライ回しにされるのは

ガッテン承知の介だ

 

外科外来の前を通ると見知った看護師さんが

何人も駆け寄ってきた

「○○さんの事聞いてビックリした‼️

昨日会った時はいつもみたいに

冗談言って笑ってたのに…」と

 

ププイ:コロナで完全面会禁止で全く

    様子が分からないねん💧

    耳が遠い事は伝えたけど

    どこまで配慮してくれるか

    わからんねん。

    時間あったら覗いてあげて

    欲しい

    知った顔の看護師さん来たら

    安心すると思うねん

看護師さん:私達も入られないのよ

      H先生に様子見てきて

      もらうように伝えるからね

コロナ禍は病院職員も自分の部所以外は

気軽に出入り出来ないようだ

 

入院手続きを終わらせると

またICUのある階のエレベーター前で

しばらく待つように言われる

入院中のいろいろなアクシデントや諸々

を了解し、「文句言いません」的な

書類にサインする為だ

看護師さんや事務職員が必要な書類を

それぞれが何度も来て説明を受ける

「これを読んでココにサインして下さい」

「ココでしばらくお待ち下さい」

これを何度か繰り返す

 

しばらくすると「俺ってカッコいい先生」が私のところに駆け寄ってきた

「先程は何か失礼があったんでしょうか?」

(私がH先生の見解聞きたいと言った事かな?)

アンタ!ウチの母ちゃんを練習台にでもしようとしてるでしょ⁉️

とは、もちろん言えない💦

 

ププイ:いえ!私、ポンコツなんで。

    母が信頼しているH先生の

    ご意見が聞きたかっただけ

    なんです

俺カコ先生:そうですか〜

      私の説明が何かご気分を

      害する感じだったのかな

      と思って心配になりまして。

      もちろん、お母様を自分

      の母と思って誠心誠意

      治療していきますので

      ご安心下さい

 

なんか…どうしてか…やっぱり…

この医者…胡散臭いんだよな…

 

しばらくそこで座っていた

もう手続きは全て済ませた

ただ、怒涛のような数時間で

朝6時から気付けば2時

水一滴すら口にする事なく

トイレにも行ってないわ…と感じたら

そこから動けず、ただ座っていた

 

しばらくすると、さっき手続きに来た

看護師さんが

「あの…これからお母さんは一旦

検査の為に下の階に移動する予定です。

ただ、いつなのかハッキリした事は

分かりません。

10分後なのか2時間後かもしれません。

でも、ココの前を通ってエレベーターに乗ります。

本当は言っちゃいけない事なんですけど…

ココの前を通ります。とだけ伝えたくて」

と話してくれた

 

お医者さまの言う通り、もう母は誰が誰なのか理解出来ないのかもしれない。

何時間待つかも、声をかける事も出来ないかもしれない

でも…声をかけるだけでも出来るチャンスがあるのなら待つよ!

今までだって抗がん剤治療で朝8時から

夕方5時まで「ココで待ってて貰わないと困ります」と言われ

ずっと待ってた事もあるんだから

私!待てるんです!

私!辛抱強い子なんです!ポンコツですけどね!

 

もう帰って下さいって言われるまで

座る覚悟で…

母が出てくるであろうドアを視界に入れて

まだ暑い夏の景色をぼんやり見ていた

何度かベッドを押して看護師さんが

出てきたが、母ではなかった

1時間程待っただろうか?

あ!お母さんだ!と思った

顔もまだ見えないし、病院の寝巻きを

着ているので、誰かは判別出来ないはずなのに

ダラリとベッドから落ちていた手が母だった

 

さっきの看護師さんがベッドを押していた

押すスピードをゆっくりゆっくりにしてくれたのが分かった

私が駆け寄り

「お母さん!わかる?大丈夫やで!

心配せんでも大丈夫!看護師さんもみんな優しいからな!」

と大声で声をかけた

ダラリと落ちていた手を私に差し出した

私も母の手を握りかえした

母の目から涙が溢れた

看護師さんが「娘さんの事分かってるんやね」と呟いた

 

けれど、これから先も病院内では

母は「そこまで理解出来る能力が残っていない」という認識で医療&看護され続けるのであった